結婚生活を続けていく中で、多くの夫婦が直面するけれど、なかなか口に出しづらいテーマ――それが「性の悩み」です。
「気まずくて話せない」「相手に遠慮してしまう」「自分ばかりが不満を抱えているように感じる」…そんな声は、決して珍しいものではありません。
今回は、実際の体験談から見えてきた性にまつわる課題と向き合い方を紹介しながら、ふたりの関係をより深めるためのヒントを探っていきます。
1. 体験談：「出産後、触れ合いが減ってしまった」
「出産後、夫婦のスキンシップが極端に減った」と話す30代女性。育児や家事に追われ、身体も心も余裕がなくなり、性への興味すら薄れてしまったといいます。
夫側も「自分から誘っていいのか分からず、気まずくなった」と語り、“会話不足”が溝を深めた原因に。
教訓： 時間や頻度よりも、「いま自分がどんな気持ちか」をお互いに伝え合うことが大切。心のつながりが回復すれば、自然と身体も応えてくれるケースが多いのです。
2. 体験談：「性の価値観が違いすぎて悩んだ」
40代の男性は、「結婚してみたら、性に対する価値観がまったく違っていた」と打ち明けます。自分は週1回は求めたいのに、妻は月1回で十分だという。
「求められるのがプレッシャー」「断られるのが怖くて誘えない」――そのギャップが夫婦間の距離を生んでいました。
教訓： 性に関する価値観は非常に個人差が大きいため、我慢や遠慮より、話し合いによる“着地点探し”が重要です。第三者（カウンセラー）の力を借りるのも一つの方法です。
3. 体験談：「セックスレスが続いて離婚寸前に」
「3年以上セックスレスで、話し合いも避けていた」と語る50代女性。次第に会話も減り、パートナーへの不信感が募っていったといいます。
離婚も考えた頃、「このまま終わるのは嫌だ」と一念発起してカウンセリングを受け、改めてお互いの気持ちを知ることができたとのこと。
教訓： 「ないことが当たり前になる前に、気持ちを伝える」ことが大切。性の悩みは、“心のすれ違い”の現れでもあります。
4. 無理せず、でも放置せず
「性」にまつわる悩みは、年齢やライフステージによっても大きく変化します。
大切なのは、“無理に合わせようとしない”ことと、“完全に放置しない”ことのバランス。
定期的にお互いの気持ちを確認し、「今はこういう状態なんだ」と理解し合えるだけで、関係の質は大きく変わります。
5. 話しづらさを乗り越える工夫
- 直接話すのが難しいなら、手紙やLINEで伝えてみる
- 「不満」より「願い」として伝える（例：「こうだったら嬉しいな」）
- 共通の本や記事をきっかけに話す（「これ、どう思う？」など）
話す＝問題を起こす、ではなく、「話す＝関係を深めるきっかけ」として捉えるのがコツです。
まとめ
結婚生活において、性の悩みは決して特別なものではありません。多くの夫婦が、形は違えど何らかの壁にぶつかっています。
大切なのは、その壁をふたりで乗り越えようとする姿勢。無理に解決しようとせず、「理解しよう」とする気持ちこそが、長い結婚生活を支える土台となります。
もし今、誰にも話せずに抱えているなら――一歩踏み出すことで、きっと何かが変わり始めます。
